2014年10月11日土曜日

10月2日 第3回公判 証人尋問 弁護側反対尋問(2)

・弁護側反対尋問(午後)

郷原信郎弁護士「H・Yとの借金関係についてお聞きします。」
神谷明文弁護士「弁45号証を示します。」
郷原弁護士「これに見覚えはありますか?平成24年7月9日付3000万円の借用書はどういう理由で作られましたか?」
N「はい、覚えています。借り換えで作ったものです。」
郷原弁護士「借用書は毎回作っていましたか?」
N「いつも必ずではないです。金額が大きい時に作っていました。」
郷原弁護士「7000万円の借用書も借り換え?」
N「さっきのは借り換えするかもしれないから作っておいたもので、7000万円は借り換えすることが決まったので作ったものです。」
郷原弁護士「金額が空欄の借用書もありますね。なぜ署名したのですか?」
N「あとで使うかもしれないと言われて作りました。」
郷原弁護士「H・Yさんからたくさん借りていましたが、H・Yさんがどこから資金を調達しているか知っていましたか?」
N「H・Yさんはあくまで私が借りる時の窓口で、H・Yさんが原資をどこから持ってきているのかは知りませんでした。」
郷原弁護士「7月29日付のは、あなたの手元に現金は入ってきてない?」
N「入ってきていません。」
郷原弁護士「H・Yさんは水源の発起人でしたね。水源の資本金5000万円は誰が用意したのですか?」
N「私は用意していませんが、払い込みは偽造だと思います。」

郷原弁護士「M開発の3000万円。H・Yさんにお金は行きましたか?」
N「はい。H・Yさんに渡しました。1800万円。十六銀行に1200万円。」
郷原弁護士「あなたが今までH・Yさんに払ったお金を取り戻して弁償に回そうと考えたことは?」
N「あります。」
郷原弁護士「H・Yさんも詐欺の共犯として捜査されていると聞かされませんでしたか?」
N「そこまで細かな話はしてません。水源の決算売上が黒字だということだけH・Yには話していました。」
郷原弁護士「H・Yさんは「落選したらどうする。」と話してた。H・Yさんは美濃加茂市の受注はまだだと知っていたはず。」
N「はい。」
郷原弁護士「水源の融資詐欺をH・Yさんは知らなかった?」
N「どうやって融資を引き出したかはH・Yさんに話していません。」
郷原弁護士「H・Yさんは水源の融資の理由を本当に知らなかった?」
N「100%知らなかったとは思いませんでした。」
郷原弁護士「警察から「H・Yも共犯やろ。」と言われませんでしたか?」
N「はい。言っていました。」

郷原弁護士「起訴後の検察官との話について。設置現場の打ち合わせをした時に、あなたがH・Tさんに「渡すもん渡したからな。」と話したとのことだけど、これがなんで藤井さんに現金を渡したという意味になるわけ?」
N「H・Tにも前から美濃加茂市の件は話していたから、藤井さんに現金を渡したことなんだなあ、というのは分かっていたはずです。」
郷原弁護士「なぜ現金を渡したのが市当局でなく、藤井さんとなるのか?」
N「話の中で、私もそう思い込んでいました。」
郷原弁護士「あなたの推測?」
N「はい。」

郷原弁護士「午前の公判で、自白を始める時に「整理したい。」と言っていましたが、それと藤井さんのことを証言するのとはどういう影響?」
N「法廷で真実を証言するということです。」
郷原弁護士「自分の利害、刑罰への影響は考えなかった?」
N「分かりません、そこは。」

郷原弁護士「いま詐欺は2100万円の2件だけ起訴されているんですよね。」
N「はい。」
郷原弁護士「他の詐欺事件について刑事告発されたことは聞いていますか?」
N「検事さんから聞きました。告発されたので、捜査しないといけなくなったと。」

郷原弁護士「自分の受ける求刑はどうなるか考えましたか?」
N「考えましたが、分かりません。K弁護士から求刑はこんなものだろうとだけ。具体的な年数は聞いていません。」

郷原弁護士「中村警察署の留置場で同房だったOさんのことは知ってますか?」
N「知っています。」
郷原弁護士「事件のこと話しましたか?」
N「はい。話していました。」
郷原弁護士「求刑はどんなものになるとかも話した?」
N「「2,3年半くらい」とOさんに手紙を出した記憶があります。」

郷原弁護士「不正融資の件でさらに刑事告発されたら、刑期は増えるよね?」
N「分かりません。」
郷原弁護士「誰か刑期のことについて話しましたか?」
N「あります。いまのK弁護士からきつくなると。検事さんからはないです。」

郷原弁護士「午前の尋問で、執行猶予はない、実刑覚悟しないといけないと話していましたね?」
N「執行猶予はないと思っていました。」
郷原弁護士「裁判前、起訴前は、執行猶予はあると思っていた?」
N「いえ、その、執行猶予は希望です。」
郷原弁護士「刑の重さについて検察官と話をしたことは?」
N「ないです。」

郷原弁護士「「藤井さんの事件は自分の裁判とは関係ない。」とOさんに手紙を送っていますね。どういう意味?」
N「どうなっても私の公判には影響ない、という意味です。」
郷原弁護士「Oさんの手紙の中で「検察に批判めいたこと」という表現があるんだけど、検察官から何か言うなと言われましたか?」
N「検事さんには言われてません。」
郷原弁護士「どうしてこんな事を書いたの?」
N「Oさんが私を追い込むようなことを言うので、そんなことない、大丈夫だと。反抗するような形で手紙に書きました。」

郷原弁護士「もう一つ。Oさんにあてた手紙の中で「検事から、絶対負けないから一緒に頑張ろうと言われた」との表現があるんだけど、どういう意味なの?」
N「藤井さんの裁判の証人尋問について、がんばろうという意味です。」
郷原弁護士「裁判の打ち合わせ中に、そんなことを言われたと?」
N「藤井さんとは戦っていません。私の言ったことの責任を取るということです。」

郷原弁護士「Oさんとの別の手紙について聞きます。「藤井弁護団が告発。検事が怒って、一緒に藤井と戦おうと言われた。」と書いてるね。日付違うけど、どうして書いた?」
N「一連の流れで、Oさんは検事に対して批判的。私でなく、それに反論。」
郷原弁護士「Oさんと手紙をやりとりしたのはなぜ?」
N「私が捕まっているので、世間の情報を知りたくて。」
郷原弁護士「Oさんに韓国の会社の人材派遣の仕事を頼んでいましたか?」
N「はい。しました。私がしたいので。」
郷原弁護士「勾留中なのでお金の管理をOさんの内妻に頼もうとしたのですか?」
N「頼みました。けど、断られたので、できませんでした。」
郷原弁護士「でも、それだと介護の仕事がしたいと午前話してたことと矛盾しませんかね。捕まってるあなたが考えること?信用あるの?」
N「ありません。」
郷原弁護士「昨日、尋問の最後、泣いていましたね。今のあなたに人材派遣、本当にできるの?」
N「捕まっているので、できません。」
郷原弁護士「いつ社会に戻ってくるかも分からない人間が、留置場で知り合った人に手紙で人材派遣だの仕事を頼んでいる。Oさんはあきれて断ったのと違うの。無責任でしょう。」
N「・・・」
郷原弁護士「昨日の証言の中で訂正することは?」
N「分かりません。」

郷原弁護士「今度は山家の件について。あなたの供述の「落選しても議員の時と同様に影響力を行使してほしい」というのは、いったいどんなこと?」
N「議員辞職の間まで影響力を行使して欲しいということです。」
郷原弁護士「でも、市長選に出馬することは知ってたから、もう議員でいる間ではないよね。具体的なことは何だったの?」
N「選挙の間までに何か問題が起こったらと。K課長から教育関係から批判めいたことがあると聞いていましたので。」
郷原弁護士「でも、市長選にみんなかかりきりでは。この短期間に頼んでも実行するのは無理では?」
N「動きが止まるのではと思って。」

郷原弁護士「あと、「辞職後も影響力を持ち続けて欲しい。」というのが意味が分からないんだけど、どういう意味?」
N「辞職した後も、役人に働きかけを続けて欲しいという意味です。Tさんが「藤井さんはトップ当選の経験があるので落ちても影響力はある。」と言っていました。」
郷原弁護士「影響力といっても、次の市長選挙の間までですよね。あくまでTさんの言葉?」
N「はい。Tさんの言葉を私が受け止めて、そう検事さんに答えました。」
郷原弁護士「しかし、落選したら、議員でも何でもなくなりますよね。何の影響力があるのか?」
関内検事「市議になる前のことは。」
鵜飼裁判長「異議と言って下さい。」
関内検事「異議。誤導です。」
郷原弁護士「いいですか。辞職したら、議員ではなくなる。議員でもない人間が働きかけをしたところで、それは市議の職務と関係はあるんですか?」
関内検事「異議。誤導です。そこの趣旨が。」
鵜飼裁判長「異議を却下します。誤導にはあたりません。」
N「辞職したら、話は別だと思います。」

郷原弁護士「市長と市議と何か権限が違うか了解していましたか?市長になったらこれができるということで依頼をしたのですか?」
N「市長になったら何ができるかは私は分かりませんが、トップとして動けることがあるだろうと。」
郷原弁護士「美濃加茂市とは最終的にはレンタル契約を結ぶことが目標だったわけですよね。市長だからといって、勝手に契約を結ぶことはできないですよね。入札手続きに従わなければならないことは当然知ってた?」
N「はい。知っていました。」
郷原弁護士「じゃあ、市長だから頼めることはあったの?なかったの?」
N「4月25日にTさんから「専決というものがある。」と聞きました。市長もしくは市議としてやってくれると漠然と。」

郷原弁護士「4月25日に山家で会った。この時、捕まると思ってた?」
N「はい。考えてました。」
郷原弁護士「メールで送った「市長のお力」とは、具体的には?」
N「考えてませんでした。」
郷原弁護士「政治家にお金を贈るのに、政治献金という方法があることは知っていますね?」
N「はい。知っています。」
郷原弁護士「あなたは「賄賂を贈った。」と言った。違いは?」
N「線引きは分かりません。裏か表かの違いと思ってました。」
郷原弁護士「山家で別れた後、藤井さんがあとで領収書を送ってきたりすることがあるかも、とは考えなかった?」
N「それはあるかもしれない、と思いました。」
郷原弁護士「現金渡す時に「領収書はいりません。」と言いましたか?」
N「言っていません。」
郷原弁護士「お金の意味をはっきり言いましたか?」
N「会話の中でしました。渡す直前に。」
郷原弁護士「「市議として力を貸して欲しい。」とだけ?具体的な内容は?」
N「役人への働きかけをしてくれたらいいと思っていました。市議のことは役人は無視できない。議会質問は役人が嫌がると。」
郷原弁護士「それはTさんが話してたことでしょう。市長とか市議の話も全部Tさんが吹聴してたことじゃないですか。あなたが直接、市当局の役人から、こうだと聞いたわけではないのでは?」
N「役人からは聞いていないです。」

郷原弁護士「華川で会った時、藤井市議から「議会の反応良かったです。」と聞いた時、どう思いましたか?」
N「議会ではまだ導入まではこぎつけられないだろうと思っていました。」
郷原弁護士「じゃあ、役人に働きかける必要があると?」
N「いえ。当時の議会では行けないと。まだ無理だと。」
郷原弁護士「市議会で市議が賛成してくれるから頼んだんじゃないんですか?」
N「ちょっと分からないです。」
郷原弁護士「市当局が政策を諮って、いろいろ案を検討した後、市議会に提出して賛否を問うのが普通の流れだと思うんだけど、そういう方法は考えなかったの?」
N「分からないです。その知識はないです。」
郷原弁護士「もう一つTさんの言葉について。「政治家が議会で質問すれば役人はびびる」は口頭で議会相手。「書面で役人に逃げられないように」は書面で役人相手。市議会と市当局との関係は?」
N「具体的に分かりませんでした。」

郷原弁護士「美濃加茂市に導入した浄水プラントは最初は社会実験ということで、利益は出ていなかった?」
N「そうです。」
郷原弁護士「市当局との契約の手続とか社会実験からレンタル契約締結までの見通しは、全部Tさんの入れ知恵?」
N「それもありますけど、議員に働きかけが必要だなと。」

郷原弁護士「美濃加茂市教育委員会の書類を偽造して十六銀行から不正に融資を引き出していますよね。これが本当の目的だったのでは?」
N「いえ、それは違うと思います。水源の自転車操業を脱したいと思っていました。」

郷原弁護士「具体的な市当局との契約手続については分かっていましたか?」
N「私はやったことないので、分かりませんでした。初めてのことなので、分からなくても仕方ないかと。」
郷原弁護士「じゃあ、見通しはなかった?」
N「分からないけど、できると思っていました。」

郷原弁護士「発注書を示します。偽造された美濃加茂市教育委員会名義の発注書だけど、これはいつ偽造したもの?」
N「この書類の日付と同じ頃に作りました。平成25年5月下旬だったと思います。他の銀行への返済の予定がありました。」
郷原弁護士「美濃加茂市教委の偽造書類なしに、銀行から金を借りれたと思いますか?」
N「できたともできないとも言えません。」
郷原弁護士「可児市と美濃加茂市の偽造文書がなかったら、UFJや三井住友から借りることはできなかったのでは?」
N「いえ、そうとも言い切れません。全く営業していなくても融資を申し込んだことがあったので。」
郷原弁護士「三井住友の担当者に現場のプラントを見せたのは融資を期待したから?」
N「現場を見せなくても、借りることはできたと思います。それでずっとやってきましたので。」
郷原弁護士「あなたのやった不正融資。なかなか普通の手口じゃできないと思うんだけど、どういう手口か教えてくれますか?」
関内検事「異議。」
N「まず、架空の工事の発注書を偽造。次に、決算で黒字に見せるため、銀行の口座に入金して売り上げがあるように見せかけます。」
郷原弁護士「この程度で?」
N「できました。」
郷原弁護士「銀行員との特別な付き合いはありませんでしたか?」
N「付き合いもありました。十六銀行の担当者さんとだけです。」
郷原弁護士「どういう付き合い?」
N「担当者の方を接待しました。食事やキャバクラ、風俗で接待しました。」
郷原弁護士「風俗とは?」
N「ソープやヘルスです。向こうが望まれましたので。」
郷原弁護士「十六以外の銀行からも融資の期待はありましたか?」
N「ありました。同じやり方で借りれました。」

郷原弁護士「あなたが初めて大きな融資を受けたのは、平成23年十六銀行から。さっきの担当者のおかげで?」
N「十六の方は、借り換えで実績を作れると教えてくれました。複数の口座を移し替えたりして売り上げがあるよう見せかける方法も教えてくれました。全部教えてくれたわけではありません。信用保証協会の枠が使えることも教えてくれました。」
郷原弁護士「銀行は民間企業だけど、信用保証協会は税金が使われてますよね。」
N「はい。」
郷原弁護士「あなたは平成22年7月に初めて信用保証協会を使いましたね。」
関内検事「異議。被害申告が。」
郷原弁護士「あなたが捜査機関から取り調べを受けている時に、他の金融機関から告訴されたとか、残りの融資詐欺についてさらに捜査するぞと聞かされませんでしたか?」
N「何も言っていませんでした。」
郷原弁護士「あなた自身は気にはなっていた?」
N「はい。」
郷原弁護士「取り調べは贈賄のことばかりだった?」
N「はい。」

郷原弁護士「あなた自身の裁判について。4月25日第1回公判の後、検察官か弁護士に今後どうなるか聞きませんでしたか?」
N「検事さんからはまだあるぞ、と言われました。贈賄のことなのかなと思いました。」
郷原弁護士「残りの詐欺が全部起訴されたら重くなると思うけど、起訴されたのが2件だけで有利な展開になったと思いましたか?」
N「はい。4月25日の公判の後、弁護士さんから「あとは贈賄だけで終わるかもな。」と聞きました。これで裁判の見通しがつきそうだと思いました。」
郷原弁護士「詐欺が十数件起訴されるはずが、詐欺2件と贈賄1件で、希望通りの展開になった?」
N「私の認識は違います。弁護士さんから「認めてるし、たくさんあっても一緒やで。」と。刑の年数でなく、「長くなるぞ。」としか聞いていません。」

郷原弁護士「Oさんに送った手紙の内容について聞きます。残りの融資詐欺について告発があった後、「いま扱いについて検察と協議中です。」と書かれているんだけど、これは誰から聞いた内容?」
N「弁護士さんから聞きました。」
郷原弁護士「検察官の動きについて弁護士から説明があったの?」
N「はい。」
関内検事「い、異議。それにつきましては、名古屋地方検察庁から証人の弁護人に教えました。」

郷原弁護士「「良い癒着」という言葉について、あなたはどんな意味だと思いますか?」
N「仕事があれば良い癒着かな、と。そういう意味で受け止めました。」
郷原弁護士「藤井さんが言ってたのは「明るい癒着」では?他の自治体の方も使ってるんだけど。」
N「・・・いや、記憶ないです。」
郷原弁護士「この言葉いつどんな時に聞きましたか?」
関内検事「異議。誤導です。」
N「ちゃんと覚えていません。電話だったかと。」

郷原弁護士「4月25日山家の件について。なぜ途中退席したの?」
N「その日用事があったのと、Tさんと二人でゆっくり打ち合わせしてもらおうと。」
郷原弁護士「じゃあ、この日はあくまでTさんと藤井さんが話すのがメイン?」
N「ということと、水源のプラントがうまくいけば良いと思っていました。私にとっては、市長選よりもプラントの方が大事。Tさんにプラントのことをお願いしたかった。」
郷原弁護士「山家の滞在時間は40,50分でしたが、もしTさんが席を外さなかったらどうしてました?」
N「席を外さなかったら、藤井さんを呼び出して渡そうかと。」
郷原弁護士「どこに呼び出して?」
N「トイレか玄関口で。」
郷原弁護士「でも、そんなことしたらTさんに問い詰められませんか?」
N「最悪、Tさんなので、バレても仕方ないと。どのみち活動資金は出すものと思っていました。」
郷原弁護士「この日、渡せないこともあると思っていた?」
N「はい。」

郷原弁護士「平成25年4月25日以降、藤井さんとは会っていませんよね?」
N「はい。」
郷原弁護士「もし、25日に渡せなかったら、どうしていました?」
N「その日渡せなかったら、私が美濃加茂市に行って直接渡しに行こうと考えてました。」
郷原弁護士「でも、市長選のドタバタでみんな忙しいのに、そんなことできるの?」
郷原弁護士「H・Yさんには政治家に渡す金だと言って50万円借りる約束をしていた。もし渡せなかったら、「渡せなかった。」とH・Yさんに正直に言えましたか?」
N「それは分かりません。どこかで渡せるだろうと。」

郷原弁護士「山家を出るときにあなたからTさんに末尾が「そして・・・」というメール送ってるけど、どんな意味で送った?」
N「お金が必要になったら送るという意味です。」
郷原弁護士「あなたのメールとか手紙とか見させてもらったけど、語尾が「・・・」となる表現はよく出てきたけど、「・・・」に何か意味あるの?」
N「「・・・」は締めくくる時に使います。手紙ではよく使う表現です。そのメールでは違います。」

神谷弁護士「弁護人の神谷よりお聞きします。山家で現金を渡した時はカモフラージュせず、茶封筒だったのはなぜですか?
N「ガストは店の外の駐車場で渡そうと思ってたので、カモフラージュしましたが、山家は室内なので必要ないと思ってました。」
神谷弁護士「ガストではカモフラージュする必要があったということだけども、見つかりそうになったら、渡すのは資料だけでも良かった?その場で現金だと見せて確認してもらう必要はなかった?」
N「はい。最悪、あとから現金もあると連絡しようかと。機会があれば帰り際にでも中身見せずに渡そうかと思ってました。」
神谷弁護士「4月2日当日、ガストの客の入りは?」
N「若干、いました。」
神谷弁護士「ドリンクバーは出入りが激しいと思うけど、なぜこの席を選んだ?」
N「店の奥なのでこの席に。カモフラージュしてるから資料にしか見えないはずだと。」

神谷弁護士「クリアファイルの再現写真の大垣共立の白い封筒の位置がもう少し上だったという情報は、あとで検察官に言われて訂正した?」
N「検事さんには言われてません。」
神谷弁護士「ガストの座席の位置関係について。座席についたてもないから、ドリンクバーから見通せるだろうとは思わなかった?」
N「分かりません。資料に見えるだろうと。」
神谷弁護士「ドリンクバーに立ったTさんが背を向けていたかどうか気にならなかった?」
N「気になりませんでした。」
神谷弁護士「ほかの機会に、Tさんが自分一人でドリンクを取りに行ったことは?」
N「私と二人だけの時はありました。他の時は一人で行ったことはないです。」

郷原弁護士「さっき証言のあった、あとで現金と知らせようという話は、検察官には言いましたか?」
N「取り調べで言ったと思います。」
郷原弁護士「調書の中の現金受け渡しの表現について。最初は、現金10万円。次に、ガストで10万円。最終的に、Tさん同席でガストで10万円、と変わっているんだけど、Tさん同席でと供述したのはいつ?」
N「3月27日より後だったと思います。」
郷原弁護士「検察官からストーリーを辻褄が合うように、言われませんでした?」
N「いえ。全部自分で思い出したものです。」
郷原弁護士「どんな風なやりとりで思い出した?」
N「「ああじゃないか。こうじゃないか。」とキーワードで私に思い出させるように言われて、思い出しました。」
郷原弁護士「それは検察の取り調べ?」
N「警察の取り調べです。検事さんは一切資料を見せてくれませんでした。打ち合わせで証人に立つので調書を確認させて欲しいと言いました。」
関内検事「異議。どういう。」
郷原弁護士「自分の調書は全く読んでいない?」
N「少し読みました。拘置所の構内で3,4通。」
郷原弁護士「どの調書を?」
N「詐欺の方です。2件分。証人尋問で聞かれるからと、弁護士に頼んで差し入れてもらいました。贈賄の調書は差し入れてもらっていません。」
郷原弁護士「今日も検事と打ち合わせしましたか?」
N「はい。昼休みに5分か10分。検事さんに私が言った言葉で意味が分からないところがあるから確認したいと。」

郷原弁護士「あなたがOさんに送った手紙の中で「服役!!あーあ・・・」という表現があるんだけど、どういう気持ちでしたか?」
N「弁護士さんからも言われたので、執行猶予は無理と思っていました。ショックではありませんでした。」
郷原弁護士「あなたとOさんとの関係は、どんな関係?」
N「Oさんとは大した関係ではなかったです。Oさんに合わせて噓も書きました。それは自分の気持ちではないです。」
郷原弁護士「手紙の中に「藤井弁護団が厳しくすればするほど、検察が私を守りに入る。有利にはたらくかも。」とあるのはどんな意味?」
N「言葉通りの意味です。」
郷原弁護士「もう一つ。「失敗は許されない。」とあるけど、「失敗」って?」
N「裁判で弁護団から訊かれて追及されることだったと思います。」
郷原弁護士「法廷で真実を述べることが成功で、噓を言うのが失敗ではないのか?」
N「そうかもしれません。」
郷原弁護士「あと、手紙の中で、(笑)とか(苦笑)を連発してるけど、何で?」
N「苦笑いというか、Oさんが私を追い込むような手紙を書いてくるので。」
郷原弁護士「さっきOさんと大した関係でないと言ったけど、Oさんに人材派遣の仕事を頼んでる。なんで?」
伊藤検事「異議。重複します。」
鵜飼裁判長「異議を却下します。」
N「私にノウハウがあるので、外で管理してくれる人がいればいいと思って。断られたのでやめました。」
郷原弁護士「Oさんとの手紙の話を訊かれたのは、この証人尋問が初めてですか?」
N「はい。ここで初めて訊かれました。」

神谷弁護士「もし現金を渡してる時にTさんにばれた場合、どうするつもりだった?」
N「4月25日山家の時はどのみち選挙の活動費を渡す予定だったので、Tさんにばれてもいいやと思っていました。4月2日のガストの時は、バレたら笑ってごまかせばいいやと。」
神谷弁護士「いまの生活状態は?」
N「いまは一人暮らしです。生活費は月30,40万くらいだと思います。」

上原弁護士「弁護人の上原より質問します。昨日、「うそつき父ちゃん」と言われて、反省した。それからは正直に話してるということですか?」
N「いえ、そうではないです。はじめから正直に話しています。時折、娘のことを思って、フレーズを思い出しています。」
上原弁護士「検察官には本当のことを言って、他には噓を言っているということはないですか?」
N「いえ、そんなことはありません。」
上原弁護士「5月にOさんに送った手紙で浄水器の話をしてますね?」
N「手紙は出したましたが、中身は記憶していません。」
上原弁護士「Oさんに「予定では全国展開して月3万掛ける数百校でウン千万円。ここまで5年の苦労が水の泡ですわ(笑)」と手紙で書いてるけど、本当に反省してるの?」
検事4「異議。どんな趣旨で書面を引用されているのか。」
関内検事「異議。誤導です。」
上原弁護士「また「うそつき父ちゃん」言われますよね?」
N「反省しています。」

関内検事「過去、病院の横領に至った経緯は?」
N「十数年前に、私がゴルフ場の役員だった時に、預託金返還の問題が起こり、お金が必要になりました。」
関内検事「その資金は?」
N「暴力団から借りました。」
関内検事「水源の自転車操業を脱するのに、美濃加茂市へのプラント導入が第一歩だった?」
N「まんざら、噓ではないです。」
関内検事「プライベートもあるので、藤井さんはお金を受け取ってくれると思ってた?」
N「はい、そうです。」
関内検事「20万円は大金じゃないから受け取りやすいと。取り調べでもそう話しましたか?」
N「はい、なってます。」
関内検事「藤井さんはあなたにとって大事な人ですか?」
N「はい。」
関内検事「メールの表現や現金のことについては気を遣ってた?」
N「これだけじゃなく、Tさんについても気を遣ってました。」
関内検事「検察官との取り調べの中で、取調中に、誘導されたり、こう言えとは言われていませんね?」
N「はい、そうです。」

郷原弁護士「美濃加茂市の浄水プラントは最終的にレンタル契約を目的としていた。レンタル契約を結んでから設置資金の回収は何年くらい?」
N「10年です。銀行から資金を借りて、営業、費用回収、レンタル契約の利益が毎月入る仕組みでした。」
郷原弁護士「10年で回収ってのは並大抵じゃないと思うんだけど、確かな見込みというより、あなたの願望とか夢物語のようにも聞こえるんだけど?」
N「その分を含めて成功させないといけないと思いました。私、思うんですけど、願望や夢があって、やってやろうと思いました。」
郷原弁護士「打ち合わせで調書はほとんど見せてくれなかったとのことだけど、法廷では贈賄の調書の内容を念頭に置いて証言しましたか?」
N「ないとも、そうとも言えません。もしかしたら、調書に違うことが書いてあるかもしれません。調書を再現しようとは思っていません。」
郷原弁護士「あなたから調書の内容を警察や検察に聞いたことは?」
N「逮捕から半年近く長い間、思い出そうとして、いったん整理しようと、調書の内容を聞いたことはありました。」

伊藤裁判官「当初、Tさんの同席の有無ははっきり覚えていませんでしたか?」
N「はい。」
伊藤裁判官「どこで思い出しましたか?」
N「警察官にメールを見せてもらった時に。ガストの駐車場で二人で降りてきたシーンから。」
伊藤裁判官「先ほど弁護人とのやりとりの中で、「検事さんは取り調べ中一切調書を見せてくれなかった。」と答えられていましたが、この時、警察官との取り調べの予定は入っていましたか?」
N「分かりません。」
伊藤裁判官「先ほど弁護人とのやりとりの中で、文末の「・・・」は締めくくる時に使う、特に深い意味はないとおっしゃいましたか?」
N「手紙の「・・・」はその程度の意味です。メールの「そして・・・」は意味が違います。」

鵜飼裁判長「名古屋の市民病院の件で、Tさんに300万円を活動費として渡したというのは、いつ頃のことですか?」
N「平成23年10月頃です。」
鵜飼裁判長「これは政治家への働きかけを期待したのですか、それとも役人に対してですか?」
N「役人への働きかけを期待しました。」
鵜飼裁判長「結果はどうなりましたか?」
N「決裁権のある役人に金を渡したと聞きました。録音もあります。」
鵜飼裁判長「その話の信憑性は?」
N「あると思います。」
鵜飼裁判長「名古屋市議に対してはどうだったんですか?」
N「平成23年10月から11月。議会質問がありましたが、契約には至らず、効果ゼロでした。」
鵜飼裁判長「効果はないと思いましたか?」
N「はい。」

鵜飼裁判長「藤井さんから現金を要求するそぶりは?」
N「ありませんでした。」
鵜飼裁判長「3月に木曽路と華川で藤井さんと会った時、手応えはありましたか?」
N「かなり早く対応してもらったと思いました。」
鵜飼裁判長「藤井さんにお金を渡す必要があると思った理由は?」
N「このスピーディさを維持しようと思いました。」
鵜飼裁判長「何か不満な点はありましたか?」
N「いえ、あの。」
鵜飼裁判長「危惧感というのはありませんでしたか?」
N「危惧はありませんでした。」
鵜飼裁判長「あなたは政治家にお金を渡す時に、人を介して間接的に渡すやり方と、直接金を渡すやり方と、どちらが犯罪に近いと思いますか?」
N「直接渡す方が犯罪に近いと思います。」
鵜飼裁判長「藤井さんにお金を渡す時、発覚する可能性は考えませんでしたか?」
N「その時はバレると思っていませんでした。」
鵜飼裁判長「その根拠は?」
N「受け取る方のタイプと思ったことと、大金じゃないので、言わないだろうと。」
鵜飼裁判長「相手が公にしないだろうと思ったわけですか?」
N「はい。」

鵜飼裁判長「あなたとTさんとの関係について。今後、どうしたいと思っていましたか?」
N「縁切りたいとは思っていません。付き合いは継続したいと思っています。」
鵜飼裁判長「Tさんにこれ以上お金を渡したくないと思ったのは?」
N「絶対渡したくないというのではなく、要所要所、渡す分については渡そうかと。活動費を継続的に求めてたので、名古屋の件で動きが遅いと不満を持っていました。」
鵜飼裁判長「市長選へ応援の費用を負担したのはなぜですか?」
N「藤井さんに恩が売れるかもと思って、Tさんに活動費を出しました。」

鵜飼裁判長「ガストで会うのは4月2日でないといけない理由があったんですか?」
N「4月2日でなくても良かった。この日、スケジュールが空いていたので、私から藤井さんに連絡して会う約束をしました。」
鵜飼裁判長「あなたの自宅や事務所からYさんの自宅の距離はどの程度ですか?」
N「車で小一時間ほどです。」
鵜飼裁判長「月曜日に振り込みじゃなくて、直接Yさんの自宅まで取りに行こうとは思いませんでしたか?」
N「Yさんは堅い人なので、現金は直接受け渡ししないので、いつも振り込みでやっていました。」

鵜飼裁判長「現金授受の場面について、藤井さんの様子はどうでしたか?躊躇していたか、淡々としていましたか?」
N「何事もなくという感じで受け取っていたと思います。」
鵜飼裁判長「お金を受け渡す時に、藤井さんの表情はどうでしたか?ガストも山家も両方ともしゃべった言葉は、調書にも書かれてるんだけど、一切話題になりませんでしたか?」
N「・・・取り調べの中で言って、書かれたはずと思います。」
鵜飼裁判長「贈った時のあなたの心情はどうでしたか?あなたがこう言ったと調書にはあるけど、どういうつもりで言ったかは書かれていなかったので。」
N「正直、犯罪になるかもという意識はありましたが、そこまで悪いとは思っていませんでした。」
鵜飼裁判長「政治家によっては、現金を贈ろうとしたら、逆に縁切られる恐れもあると、考えませんでしたか?」
N「全くないというのはウソになります。受け取り拒否されても、大金ではないから、それもないと。」

鵜飼裁判長「山家に行く当日4月25日に90万円出金した理由は?」
N「その日、M開発の3000万円があり、2900万円をP社に振り込み。その残りから90万円を出金しました。70万円を十六の口座に、10万円を中京の口座に入金した後、20万円は手元に持っていました。私は口座に入れとく習慣はないものですから、20万円くらい現金で手元に持っておこうと思って。」
鵜飼裁判長「当時、手元に持っていた現金は?」
N「20,30万円は持っていました。」
鵜飼裁判長「H・Yさんから50万円借りる約束をした理由は?」
N「4月26日以降の支払いに充てようと考えていました。」
鵜飼裁判長「4月24日には藤井さんに20万円払う予定はありましたか?」
N「4月24日には藤井さんに渡すことを考えていました。4月中の支払いが詰まるので、どのみちH・Yさんからは借りるつもりでいました。藤井さんのは上乗せで言いました。」
鵜飼裁判長「H・Yさんへの説明でなく、あなたの内心はどうだったのですか?」
N「手元では支払いが詰まると思っていました。」

鵜飼裁判長「山家での現金受け渡しの時に、テーブルの反対側に回って藤井さんの左隣に移動した理由は?」
N「・・・その、あらたまって渡そうと思いました。」
鵜飼裁判長「警察の取り調べでも、その理由を話しましたか?」
N「どうしてかは聞かれませんでした。」
鵜飼裁判長「通路側を背にして受け渡す(a)より、テーブルを挟んでやりとり(b)した方が、Tさんが戻ってきた時に、Tさんの動きを察知しやすいと思いませんでしたか?」
N「ちょっと、分かりません。」
(a)

(b)


鵜飼裁判長「山家で現金を受け取る時に藤井さんが「いつもすみません。」と言ったと供述してるんだけど、この時の藤井さんの表情は?」
N「恐縮した顔つきだったと思います。笑ってはいませんでした。」
鵜飼裁判長「ガストも山家も現金授受の時のやりとりが、あなたが「これ少ないけど足しに。」、藤井さんが「すみません。」と2回とも同じような言葉なんだけど、もとから2回ともそう言ったと記憶していたのか、あとから言葉を思い出したのですか?」
N「もとからそう言ったと覚えています。」
鵜飼裁判長「2回とも同じように言いましたか?どっちか違う特徴は?」
N「同じように言ったと思います。」

鵜飼裁判長「ガストでやりとりした言葉を確認しますが、左手の人差し指でジェスチャーをした時、言葉で「内緒に」と言ったのですか?」
N「「Tさんには内緒で。」と言葉では言ってしまいましたけど、調書はどうだったか。」
鵜飼裁判長「5月1日の時の検察官の取り調べの時も、言葉で「内緒」と言ったか?」
N「言葉で「内緒で。」と言いました。この時、指立てたことを供述しました。」
鵜飼裁判長「7月12日の検察官の取り調べには、「Tさんには。」と言って人差し指で内緒のジェスチャーをしたと書かれているけど、実際はどう供述?」
N「ジェスチャーを確認されて、そのような言葉で言ったと供述しました。」

鵜飼裁判長「事件について、メール以外で思い出すきっかけは何でしたか?」
N「メール以外だと、口座の記録、クレジットカードのサインの確認をされたり、あとは思い出す努力をしました。」
鵜飼裁判長「人数については?」
N「私が取り調べで話した後で、警察に人数のことを確認されました。」

鵜飼裁判長「他の事件の捜査状況について。たとえば、名古屋市議に関する捜査は?」
N「つめて聞かれなかったので、細かな状況まで話しませんでした。調書を取ってる時に、お金を渡すのは公選法違反と聞かされ、これも来るのかと思いました。」
鵜飼裁判長「他に捜査が及んでいるとの認識は?」
N「ありませんでした。」

鵜飼裁判長「4月25日山家での後、藤井さんにさらにお金を渡そうと思いましたか?」
N「当選後、渡した方がいいかなあと思っていました。」
鵜飼裁判長「実際はどうでしたか?」
N「渡しませんでした。当選後は藤井さんと会っていませんし。」
鵜飼裁判長「その理由は?」
N「資金繰りが楽ではなかったもので。」

関内検事「山家で渡す時、周りの目を気にしていたと思いますが、テーブルの反対側に回って渡した方がいいと判断した?」
N「その時は太ってて、テーブルの向かいで渡すより、隣に移動した方がいいかなあと。」
関内検事「隣の席に移動してきちんと渡そうと思った?」
N「はい。」
関内検事「5月1日の調書、私が取ったんですけど、その時は、言葉で「Tさんには内緒で。」と言ってジェスチャーしたと言っていましたか?」
N「はい。口で「内緒で。」と言いました。」

郷原弁護士「山家の座席について。奥の席はついたてがあって、外のカウンターの辺りからは何をしてるかは見えにくいと思うんだけど、渡す時に通路側に背中を向けた位置に移動した理由は?」
N「通路を従業員がよく通るので、従業員に渡すところが見えないように気をつけていました。」
郷原弁護士「甲105号証を示します。この現場見取り図にどこを店員がよく通るのか指でさしてもらえますか?」
(モニタに現場見取り図。)
N「通路と席の間の、この上がり口の所です。」


関内検事「4月25日の状況について。この時期は支払先がいろいろあった。なので、H・Yさんから借りたということですか?」
N「はい、そうです。」

証人N退廷。


鵜飼裁判長「今後の公判予定を。10月8日に証人Tと証人TNの証人尋問。10月16日に証人H・Tと証人H・Tの証人尋問。10月24日に被告人質問を行います。証人H・Tについては、立証趣旨は証人Nの供述経過に関する趣旨とし、現金授受の間接事実の証拠としては採用しないことに決定しました。」

証人尋問終了。


傍聴雑感
現金を渡したとする証人と授受はなかったとする弁護側との激しい攻防でした。証人の過去の事件や暴力団からの借金など、それ自体でも十分驚くような事実が飛び出し、一言も聞き漏らせない展開となりました。前日に主尋問を終えたからか、心なしか 証人も若干肩の力が抜けて、弁護側の反対尋問に対し、「いえ、そうではなく」と言い足りないことを反論しようとしていました。 この日も、銀行口座の動きについて問われて、日時や金額を詳細にすらすらと答える様子には感心させられました。

ふと当事者の席を見ると、検察官の席の位置が前日と替わっていました。前列から便宜的に、検事1(関内検事)、検事2(伊藤検事)、検事3、検事4とすると、主尋問の時は、(前列)検事1、検事2、(後列)検事3、検事4と座っていたのが、この日の反対尋問では、(前列)検事1、検事4、(後列)検事2、検事3と、一番ベテランっぽい検事4が前列に出て、風呂敷から資料を広げて、鋭い視線を送っていました。

裁判官からの補充質問もあり、忠実に再現できませんでしたが、かなりわかりやすい訊き方をしていました。

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